タスペーサーの使い方は?屋根塗装をする前に必要性を知ろう!
2021.11.12屋根塗装をする際、ただ塗料を塗るだけではなく、雨漏りや結露防止などさまざまな対策が必要です。
屋根トラブルを回避するために使われるのが「タスペーサー」です。
タスペーサーは「株式会社セイム」が開発した商品で、屋根塗装にとって必要性の高いアイテムですが、全ての屋根に使用するわけではありません。
今回は、タスペーサーとはどんなアイテムか、使い方や利用するメリット・デメリットなどについて、詳しく解説します。
タスペーサーとは?
タスペーサーとは、屋根内部の通気性を高めるために、屋根と屋根の間に隙間を作るアイテムです。
屋根は1枚の大きな板ではなく、複数にカットした屋根板を重ね合わせて施工します。
屋根同士には隙間があり、重なった部分に雨が溜まらない・内部に侵入しないような構造になっています。
しかし、この隙間を塗料で埋めてしまうと、屋根内部に入り込み「雨漏り」や「結露」などのトラブルが起こるのです。
屋根の通気性を高めるため、今までは屋根塗装が終わると、塗膜カッターなどを使う「縁切り」という方法で、塗膜をひとつずつカットしていました。
どんなに丁寧に縁切り作業をしても、時間が経つと塗膜がくっついてしまうため、再施工やトラブルが絶えません。
屋根塗装で、タスペーサーを取り入れる業者は増えているものの、まだまだ全国的に普及率は低いのが現状です。
タスペーサーはどんな屋根に使うの?
タスペーサーを必要とする屋根は、一般的にストレート屋根と呼ばれる構造です。
コロニアルやカラーベストなど、屋根材を重ねて施工する場合に必要ですが、屋根の状態によっては使わないケースもあります。
・屋根の傾斜が17度未満
・屋根同士の隙間が3mm以上空いている
タスペーサーは住宅1棟の屋根に何個も使うため、その分コストもかかります。
必要のない屋根に施工すると、しっかり固定できず、風で飛ばされたりする可能性もあり、無駄な費用がかかることになります。
タスペーサーの使い方は?
タスペーサーは使い方を間違えると、屋根材や屋根内部にトラブルが起こります。
依頼する業者がしっかり施工しているか確認しましょう。
基本的に取り付けるタイミングは「下塗り後」
株式会社セイムのタスペーサーの種類は、01~03の3種類があります。
タスペーサー01以外は「下塗り後」に設置していきます。
01の場合、屋根を高圧洗浄でキレイにした後に取り付けるケースもあります。
塗装後、しっかり乾燥してから設置
タスペーサーを設置するには、下塗りした塗料がしっかり乾燥したかが重要です。
塗料が乾燥しない状態でタスペーサーを設置すると、塗膜が屋根材のつなぎ目にくっついてしまい、隙間を確保できません。
設置数は屋根材1枚に2箇所が目安
タスペーサーは、設置数が多いほど隙間を確保できますが、間隔を狭めて設置しなくても問題ありません。
目安として、屋根材1枚あたり2箇所に設置するのがいいでしょう。
タスペーサーを使うメリット・デメリット
屋根塗装でタスペーサーを使うことで、さまざまなメリットがありますが、同時にデメリットもあります。
施工する前にチェックしておきましょう。
屋根塗装でタスペーサーを使うメリット
・屋根塗装の時間が短縮される
・施工費用が安くなる
・施工後のお手入れが不要
・屋根にダメージを与えない
タスペーサーではなく、縁切りで屋根材に隙間を作る場合、塗装が全て終了した後、しっかり乾燥させてから施工しなくてはいけません。
使用する塗料によりますが、完璧に乾燥するまで約1日以上はかかります。
しかしタスペーサーを使うことで、乾燥時間を待たなくてもよくなります。
そして縁切り作業の手間が減ったことで、施工費用も安く済むでしょう。
また、カッターなどのアイテムを使って塗膜をカットしなくても良いので、屋根材にダメージを与えません。
屋根塗装でタスペーサーを使うデメリット
・取り扱いを間違えると屋根材が割れる
・追加費用が発生する
屋根材の耐久性が落ちている状態でタスペーサーを設置すると、ひび割れが生じる可能性があります。
また、セメントを原料としたストレート屋根以外に取り付けたときも、同じような症状が起こるでしょう。
基本的に屋根のメンテナンスを行っていると、タスペーサーを取り付けてもひび割れは起こりません。
タスペーサー設置後、屋根に登っても割れる心配はないので、適度な耐久性はあります。
タスペーサーの使い方で注意すべきポイント
タスペーサーを使って屋根塗装する際、知識や経験のない業者が施工すると思わぬトラブルに発展する可能性があります。
そのひとつが「費用」です。
タスペーサーは、1個あたり10円~50円、30坪の総2階建なら約1000個の使用が目安なので、費用は約30,000円が相場です。
縁切り施工に比べて1~2万円ほど安いのですが、業者の中には設置のために作業員増員や不要な施工費を上乗せするケースがあります。
タスペーサーの設置は、基本的に手作業で設置しますが、屋根材の状況によって特殊工具を使う場合もあります。
状況によって追加費用の発生もあるので、必ず見積もりをお願いして、費用の確認をしましょう。
万が一に備えて、気になる部分を質問しておくことも大切です。
まとめ|タスペーサーの使い方を知っておこう
タスペーサーは正しい使い方をせず設置してしまうと、機能が発揮されません。
その結果、屋根材のひび割れ、雨漏り・結露といったトラブルが起こります。
取り付け方だけではなく、屋根の傾斜や材質によって使えない場合もあるので、知識・技術が確かな業者に依頼することが大切です。
屋根の劣化や再塗装など、気になる点がありましたら、ぜひ当社にご相談ください。